エネルギー戦略 2011 4 24

書名 偽善エネルギー
著者 武田 邦彦  幻冬舎新書

 選挙がある政治家は、芸能人と同じく、人気稼業だから、
今の雰囲気では(原子力発電所の事故が連日報道されている)、
口が裂けても、原子力の推進とは言えないでしょう。
 今の時代は、残念ながら、
「次の選挙で落選しても構わないから、
私は国家のために働く」という政治家はいません。
 私は日本の未来のために言いましょう。
日本は、原子力発電、火力発電、水力発電とバランスよく推進すべきであると。
 ここに太陽光発電が入っていないのは、なぜか。
多くの人は、そう思うでしょう。
 この本によれば、「太陽の光は、1uで1kW、
太陽電池を使って電気を起こすのは、
理想的には太陽のエネルギーの約20%を電気に換えることができます。
転換効率が20%ですから、パネル1u当たり、0.2kWの電気が得られます。
(中略)
日本人が使うエネルギーは、kWに換算すると、
一人当たり約6kWで、これは、24時間、365日消費するとした時の数字です。
太陽は、一日8時間くらいは使えますが、
晴れの日ばかりではないので、平均すると3分の1ほどになります。
一人当たりで300u、四人家族で1200uの太陽電池パネルがあれば大丈夫でしょう」
 この数字を見てしまうと、
太陽光発電は、あくまでも補助的なエネルギーということになります。
 もちろん、国土が広く、かつ砂漠があり、人口密度が低い国にとっては、
太陽光発電は、大いに有望なエネルギーでしょう。
 しかし、日本は、こうした条件に、どれも該当しません。
日本は、「国土が広く、かつ砂漠があり、人口密度が低い国」に対して、
太陽光発電システムを輸出することが、仕事でしょう。
 さて、この本から感じたことは、
「石油の未来は、危機的だ」ということです。
原油については、ピークオイル説など、いろいろ言われていますが、
新たに発見される油田の規模が、「確実に小粒になっている」と聞くと、
危機感を覚えざるを得ません。
「新たに発見される油田の規模」で、原油の未来を考える発想は、新鮮です。
 もちろん、ウランも限りある資源で、
原油の未来よりは長いでしょうが、やはり心配な資源でしょう。
 さて、どうするか。
頭に思い浮かぶのは、石炭です。
石炭の埋蔵量は、石油に比べれば、意外に多いのです。
「石炭の液化」は、技術的に可能だと思います。
 石炭大国と言えば、意外に知られていませんが、アメリカです。
アメリカは、「石炭の液化」をどう考えているのでしょうか。




















































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